株式会社Liberaware(千葉県千葉市)は2026年9月1日、豪雨災害で被害を受けた千葉市内の蓋掛け排水路について、狭小空間点検ドローン「IBIS2 Chainage」を使ったスクリーニング調査を実施したと発表しました。対象は長さ約750mで、道路が大きく崩れ、人が容易に立ち入れない環境も含まれていました。「調査」と聞くと、最初から損傷寸法まで精密に測るイメージがありますが、災害直後には別の優先順位があります。
スクリーニングは「詳しく調べる場所」を選ぶ調査
被害範囲が広いとき、すべての箇所へ同じ時間をかけて詳細調査を行うと、重大な損傷の発見が遅れる可能性があります。まず広く確認し、閉塞、崩落、変形など異常が疑われる場所を絞り込むのがスクリーニングです。その後、必要な場所へ人員や別の計測機器を集中させます。
災害初動では「入らずに見る」こと自体が価値になる
被災した地下や管路は、二次崩落、浸水、有害環境など通常時とは違う危険を抱える可能性があります。状態が分からない段階で人が先に入るより、小型ドローンで映像を取得できれば、進入の可否や追加調査の方法を考える材料になります。精度の高い測定以前に、危険を避けながら全体像を知ることが必要です。
早い調査と詳しい調査は競合しない
スクリーニングは詳細点検の代わりではありません。異常候補を見つけた後には、損傷寸法の計測、構造的な評価、補修方法の検討など別の工程が続きます。最初の調査を速くすることで、詳しい調査へ人と時間を集中できます。
スクリーニングで異常を見つけたら、「どこで見つけたか」を後から再現できる記録も必要です。管路の入口からの距離、進行方向、撮影時刻、特徴的な構造物などを映像と結び付けておけば、追加調査の担当者が同じ場所へ到達しやすくなります。映像を撮るだけでなく、位置情報へ変換することが次工程につながります。
覚えておきたいのは、災害点検では「最初から最も詳しく調べる」ことが最短とは限らないということです。まず危険箇所を絞り込むことが復旧判断を速めます。

