DronePilot GUIDE|ドローン実務・活用ガイド

光ファイバー有線なら通信は切れない?下水道で長距離化する理由

光ファイバー有線なら通信は切れない?下水道で長距離化する理由

DRONE SPORTS株式会社は2026年9月3日、光ファイバー有線通信を採用した下水道管渠専用ドローン「Rangle X」による長距離点検が、国土交通大臣賞「循環のみち下水道賞」のイノベーション部門を受賞したと発表しました。同社によると、大断面管渠内で1.6kmの連続飛行・映像記録を実施し、機体には最大5kmの光ファイバーケーブルを搭載できます。

地下の管内は無線にとって厳しい環境

地上で使うドローンの通信は、機体と送信機の間に見通しがあるほど安定しやすくなります。下水道の管内では、地中に入り、曲がりや段差が続き、コンクリート壁などに囲まれます。電波が直接届きにくく、反射や減衰の影響も受けるため、遠くへ進むほど無線通信を維持することが難しくなります。発表でも、従来の無線式では実用上おおむね300m前後が課題だったと説明されています。

光ファイバーは長い通信経路を機体と一緒に持ち込む

Rangle Xは光ファイバー有線通信を採用し、機体が進む方向へ通信経路を延ばします。空間を飛ぶ電波だけに頼らず、ケーブルで信号を伝えるため、長い管内でも映像や操作通信を確保しやすくなります。ここでいう「有線」は、一般的な地上給電型ドローンと同じ意味とは限らず、発表の中心は長距離の光ファイバー通信です。

有線化しても物理的な制約は残る

ケーブルを使えば通信上の利点がある一方、長いケーブルをどう送り出すか、屈曲部や障害物で引っ掛からないか、帰路を確保できるかといった別の課題が生まれます。管内点検では通信距離だけでなく、照明、汚れ、水位、機体回収、進入地点などを一つの作業として設計する必要があります。

人に話せるポイントは、有線ドローンの「線」は弱点であると同時に、無線が苦手な環境へ通信路そのものを持ち込む強みになるということです。屋外の広い空間では邪魔になり得るケーブルが、地下管路では長距離通信を成立させるための重要な装備になります。