株式会社スペースワンは2026年9月29日、建設・土木・インフラ維持管理向けにCHASING社製水中ドローンと管路点検ロボットを展示すると発表しました。同社によると、水中ドローンの相談ではインフラ点検が多く、ダム、河川施設、上下水道、取放水設備などで、リアルタイム映像による状況確認や詳細調査箇所の絞り込みに活用されています。ここで重要なのは、「映像が見えた」ことと「点検が完了した」ことを分けることです。
水中ドローンはまず「行けない場所を見る」道具
水を抜けない施設や、人が潜るには危険な場所では、内部の状態そのものが分からないことがあります。水中ドローンなら地上から操作し、カメラを対象へ近づけて、損傷らしい部分、付着物、変形、障害物などを確認できます。広い範囲から「どこを詳しく調べるべきか」を絞り込む用途に向いています。
映像だけでは分からない異常もある
カメラでひびや欠損が見えても、その深さや内部状態、材料強度まで映像だけで判断できるとは限りません。濁り、照明、流れ、付着物によって見え方も変わります。必要に応じて寸法計測、ソナー、別の非破壊検査、潜水士による確認などを組み合わせます。水中ドローンは詳細調査をすべて置き換えるというより、危険な場所への人の進入を減らし、次に何を調べるかを決める材料を増やす道具と考えると分かりやすいでしょう。
成果物は映像ではなく「どこに何があったか」
長時間の映像を撮るだけでは、後で異常箇所を探し直すことになります。実務では、進入地点、移動方向、撮影時刻、対象部位、異常候補の位置を記録し、映像と結び付けておくことが重要です。補修計画へつなげるには、場所が再現できる情報が必要になります。
覚えておきたいのは、水中ドローンの価値は「水中が見える」だけではなく、見えなかった場所を可視化し、次の詳細調査を絞り込めるところにあるということです。最初の確認を安全かつ広く行えることで、人が入るべき場所も限定しやすくなります。

