福井県坂井市は2026年9月25日、金沢工業大学の研究チームが福井空港で大型VTOL型ドローンの試験飛行を行ったと発表しました。機体重量は約100kgで、研究チームは将来的に「50kg積載・50km超飛行」が可能な有翼電動ドローンの実用化を目指しています。試験では翼を付けた飛行も行い、翼によってバッテリー消費を抑え、長距離飛行につなげる狙いが説明されています。
VTOLは滑走路なしで離着陸できる
VTOLはVertical Take-Off and Landingの略で、垂直離着陸を意味します。マルチコプターのようにその場で上昇・下降できれば、物流拠点に長い滑走路を用意しなくても荷物を受け渡しやすくなります。一方、機体をプロペラの推力だけで空中に支え続ける飛び方は、長距離を効率よく移動するうえでは電力を多く使う場面があります。
前進中は翼が機体を支える力を生む
有翼機が前へ進むと、翼に空気が流れて揚力が生まれます。機体重量の一部を翼で支えられれば、すべてをローターの推力だけで支える場合とは必要な出力の考え方が変わります。今回の試験でも、研究チームは翼を取り付ける目的を、航行に必要な電力を長持ちさせ、長距離飛行につなげるためと説明しています。
物流では離着陸と巡航の両方を設計する
長距離を効率よく飛べても、荷物を受け取る場所で安全に離着陸できなければ物流には使いにくくなります。逆に垂直離着陸だけが得意でも、長距離輸送で電力消費が大きければ航続距離を伸ばしにくくなります。大型VTOLでは、積載重量、巡航距離、離着陸場所、風、バッテリー余力まで含めて運航を考えます。
人に話せるポイントは、VTOLの翼は見た目を飛行機らしくするためではないということです。離着陸ではローターの利点を使い、前進飛行では翼の揚力を利用することで、物流に必要な「狭い場所から出発して遠くへ運ぶ」という二つの要求を両立させようとしています。

