DronePilot GUIDE|ドローン実務・活用ガイド

森林をドローンで測ればCO2量が分かる?カーボンクレジットの前に必要な計測

森林をドローンで測ればCO2量が分かる?カーボンクレジットの前に必要な計測

北海道池田町、十勝広域森林組合、株式会社小杉商店、株式会社ステラーグリーンは2026年9月24日、森林資源の可視化・価値化とゼロカーボンシティ実現に向けた連携協定を締結しました。発表では、小杉商店がドローン技術を活用した森林資源の計測・解析・モニタリングを担い、森林カーボンクレジットの創出につなげる計画が示されています。ここで押さえたいのは、ドローンが直接「CO2の量」を撮影しているわけではないことです。

ドローンが得意なのは森林の形を広く測ること

森林計測では、写真やレーザなどを使い、樹冠の広がり、高さ、地形、植生の分布といった情報を取得できます。人が地上から一本ずつ調べると広大な面積では時間がかかりますが、上空から取得すれば面的な状況をそろった方法で記録しやすくなります。特に同じ区域を繰り返し測れば、成長や伐採、被害などの変化を追う材料になります。

樹高や面積がそのまま炭素量になるわけではない

カーボンクレジットでは、森林がどれだけ炭素を吸収・蓄積しているかを一定の方法で算定し、制度上の要件に沿って扱う必要があります。ドローンで得た高さや面積などは重要な入力情報ですが、それだけでCO2吸収量が自動的に確定するわけではありません。樹種、林齢、蓄積量、現地調査、使用する算定方法などを組み合わせて評価します。

価値が出るのは「一度測る」より「変化を追える」こと

森林管理では、ある時点の3Dデータを作るだけでなく、同じ範囲を後から再計測できることが重要です。計測条件や範囲が毎回違えば、変化が森林そのものによるのか、測り方の違いによるのか分かりにくくなります。飛行高度、センサー、季節、データ処理などを記録し、比較可能な状態を保つことが実務では欠かせません。

覚えておきたいのは、森林ドローン計測は「CO2を測るカメラ」ではないということです。森林の状態を定量化する材料を集め、そのデータを制度上の算定や森林管理へつなぐ技術です。