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3Dモデルなら文化遺産を残せる?「記録」と「保存」は同じではない

3Dモデルなら文化遺産を残せる?「記録」と「保存」は同じではない

DJI JAPAN株式会社は2026年9月14日、ドローンと3D再構築技術を使い、自然・文化遺産のデジタルアーカイブ化を支援する企画「World Heritage 3D Conservation Initiative 2026」を開始したと発表しました。参加者が建造物、遺跡、自然景観などを撮影し、3Dモデルとフライスルー動画を制作する企画です。ここで考えたいのは、「3Dで残す」ことと「現物を保存する」ことは同じではないという点です。

3Dモデルは、その時点の形をデータとして残す

写真を多数の角度から撮影して3D再構築すると、対象の表面形状や位置関係を立体的に記録できます。後から別の角度で見たり、時期の異なるモデルを比較したりできる点は、一枚の写真にはない利点です。一方、撮影できていない裏側や内部はモデルにならず、細部の精度も撮影距離、重なり、カメラ設定などに左右されます。

「きれいな映像」と「測れる記録」は目的が違う

フライスルー動画は対象を分かりやすく見せるのに向いていますが、保存記録として使うなら、縮尺、座標、解像度、撮影日、使用機材などの情報も重要です。将来の変化を比較したい場合は、毎回似た条件で撮影できる計画も必要になります。映像作品としての品質と、計測・記録データとしての品質は別に考える必要があります。

文化財や自然景観では、撮影そのものに許可や立入制限が関係することもあります。デジタル化の技術があっても、対象を管理する人のルールや周辺環境への配慮を外して進めることはできません。

デジタルアーカイブは「現物の代わり」ではなく比較できる記録

3Dモデルを作っても、建物や地形そのものの劣化を止められるわけではありません。しかし、災害や風化の前後を比較したり、現地へ行けない人が形状を確認したりする材料にはなります。人に話せるポイントは、デジタルアーカイブの価値は「永久保存」ではなく、その時点の姿を後から検証できる形で残すことにあるという点です。