NTTインフラネット株式会社は2026年9月16日、尾道市の下水道管路施設で、点検用ドローン「IBIS2」と3Dレーザー計測システム「Hovermap」を組み合わせた調査を実施したと発表しました。対象は直径1.2m、延長263mの下水道管路とマンホールで、人が入孔せずに腐食、亀裂、堆積物などのデータを取得しています。
映像は「状態」を見やすく、3Dは「形」を残しやすい
カメラ映像は、表面のひび、錆、付着物などを目で確認するのに向いています。一方、映像だけでは、対象までの距離や管路全体の形状を正確に把握しにくいことがあります。3Dレーザー計測では、多数の距離点を集めて点群として記録できるため、空間の形や位置関係を後から立体的に確認できます。
同じ異常でも「どこにあるか」が維持管理では重要
点検では、異常を見つけるだけでなく、それが管路のどの位置にあり、どの程度の範囲かを記録する必要があります。映像と3Dデータを組み合わせれば、目視情報と位置・形状情報を関連付けやすくなります。次回点検で同じ場所を比較するときにも、単独の動画より基準を作りやすくなります。
また、3Dデータを残しておけば、調査担当者だけでなく、設計、補修、発注側など複数の関係者が同じ空間を後から確認できます。現場へ入り直す回数を減らせる可能性もあります。
3D計測では取得後のデータ処理も工程の一部です。点群の位置合わせや不要点の除去まで含めて、最終的に誰が何を判断する資料にするかを先に決めておくと、必要な計測条件を設定しやすくなります。
3D化の価値は「きれいなモデルを作ること」ではない
3Dモデルは見栄えのために作るものではありません。人が入りにくい地下空間の状態を、現場外の担当者も同じ位置関係で確認し、補修や追加調査の判断材料にすることに意味があります。人に話せるポイントは、狭所点検では「映像で見る」と「形を測る」は別の仕事であり、両方を重ねることで点検記録の使い道が広がるということです。

