株式会社モルフォは2026年8月27日、株式会社Prodrone、村田機械株式会社との共同提案「屋内自律点検ドローン計測サービスの実証」が、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの実証型共同研究に採択されたと発表しました。工場や倉庫などの屋内で、自律点検ドローンによる計測サービスの開発とフィールド実証を進める計画です。
屋内ではGNSSを前提にできない
一般的な屋外飛行では、GNSSの位置情報が機体の現在地を知る大きな手掛かりになります。しかし建物の中では、屋根や壁によって衛星からの信号を安定して受けにくくなります。そこで屋内自律飛行では、カメラ、距離センサー、LiDARなどで周囲の特徴を捉えながら、機体自身の移動量と現在位置を推定する方法が使われます。周囲の地図を作りながら自分の位置も推定するSLAMという考え方も、その代表例です。
「位置が分かる」と「安全に飛べる」は別
自己位置推定ができても、狭い通路、配管、棚、動く人や車両がある環境では別の判断が必要です。特に工場では、同じ通路でも設備の仮置きや扉の開閉で状況が変わります。自律飛行を実務へ入れる際は、位置精度だけでなく、障害物検知、通信、照明、緊急停止、機体を回収できる経路まで含めて考えます。
また、屋内では機体が地図を持っていても、人や台車、資材の位置が日々変わります。固定設備だけを前提にせず、「昨日は通れた場所が今日は通れない」ことを想定する必要があります。
屋内自律飛行は「GPSの代わり」を一つ置く技術ではない
屋内では、GNSSの代わりになる単一の装置があるというより、複数のセンサー情報を組み合わせて周囲と自分の動きを理解します。そのため、同じ機体でも壁面の模様が少ない場所、暗い場所、粉じんが多い場所などでは条件が変わります。覚えておきたいのは、屋内自律飛行とは「GPSなしでも飛べる魔法」ではなく、周囲を測りながら自分の位置を推定し続ける技術だということです。

