DronePilot GUIDE|ドローン実務・活用ガイド

AIで枯れ木を見つけたら伐採?広域抽出と倒木診断は別の工程

AIで枯れ木を見つけたら伐採?広域抽出と倒木診断は別の工程

株式会社修成建設コンサルタントと九電ドローンサービス株式会社は2026年9月3日、ドローンとAIを活用した枯れ木調査・倒木診断技術の高度化に向けて連携すると発表しました。これまで名阪国道の約15km区間で、ドローンによる広域撮影とAIによる枯れ木調査を組み合わせ、抽出データを伐採優先度の検討や維持管理計画、GISデータ連携に活用したとしています。ここで重要なのは、「枯れ木を見つけること」と「危険度を決めること」は同じ仕事ではないという点です。

AIは広い範囲から候補を探すのが得意

道路沿線を人が一本ずつ歩いて確認するには大きな時間がかかります。ドローンで広範囲を撮影し、AIで枯れ木らしい樹木を抽出できれば、確認対象を絞ることができます。これはAIが「伐採すべき木」を自動決定しているという意味ではありません。まず大量の対象から、詳しく見る候補を選ぶ工程です。

倒木リスクは木だけ見ても決まらない

同じ枯れ木でも、道路から遠く倒れても影響しにくい場所と、交通量の多い道路へ倒れ込む位置では優先度が違います。木の状態だけでなく、高さ、傾き、周辺地形、道路や施設との位置関係などを合わせて考える必要があります。発表でも、AIによる抽出技術と建設コンサルタントが持つインフラ管理・倒木リスク評価の知見を組み合わせる方針が示されています。

点検の価値は「発見」から「対策順序」へつなぐこと

点検で異常候補を100件見つけても、すべて同時に対策できるとは限りません。限られた予算と人員の中では、どこから確認し、どこから伐採・補修するかを決める必要があります。そのため、画像やAI結果を地図情報と結び付け、位置と優先度を管理できる形にすることが実務では重要です。

覚えておきたいのは、AI点検の役割は「答えを出すこと」だけではないということです。広い範囲から候補を効率よく拾い、人が危険度を評価し、対策の順番を決める。この役割分担によって、点検データが維持管理の仕事につながります。