セキドと東洋製罐は、2026年9月、高所の雨漏り補修、防錆、漏洩検査などを産業用ドローンで行う体験会を開催しました。ドローンにスプレー缶噴射装置を搭載し、人が直接近づきにくい場所で処置を行うというものです。
ドローンの役割は撮影から「作業」へ広がっている
これまでドローンの業務利用というと、空撮、点検、測量など「見る・測る」用途が中心でした。ところが、液剤を噴射する装置などを搭載すると、ドローン自身が補修や処置の一部を担うことができます。
これは高所作業の負担を減らせる可能性がある一方で、飛行の考え方も変わります。カメラを搭載して撮影するだけの場合と違い、機体が対象物に近づき、一定位置を保ちながら噴射する必要があるからです。
人の危険を減らしてもリスクがゼロになるわけではない
人が足場や高所作業車で近づく必要が減れば、高所からの転落などのリスクを下げられます。しかし、ドローンを使えば安全確認が不要になるわけではありません。対象物との距離、周囲への飛散、機体の姿勢、風の影響、作業範囲への第三者の接近など、新しい確認項目が生まれます。
特に液剤を扱う作業では、何を噴射するのか、どこまで届くのか、周囲へ影響しないかといった、通常の撮影飛行とは異なる条件も考える必要があります。
「飛行リスク」ではなく「作業全体のリスク」を見る
こうした業務では、機体が落ちないかだけを考えるのでは不十分です。飛行、搭載物、対象物、周辺環境、作業者、第三者まで含めてリスクを整理する必要があります。リスク評価の考え方を整理したい場合は、無料WebツールのDroneSafety Riskを使って項目を確認できます。
ドローンによる作業の範囲が広がるほど、「操縦できるか」だけでは判断できない場面が増えます。人の危険を減らすためにドローンを使うからこそ、ドローンによって新しく生まれるリスクも同時に考えることが重要です。

