DronePilot GUIDE|ドローン実務・活用ガイド

LiDARと写真測量はどちらが上?成果物からセンサーを選ぶ

LiDARと写真測量はどちらが上?成果物からセンサーを選ぶ

株式会社セキドは2026年9月9日、鹿児島県と宮崎県で測量・インフラ点検向けの業務用ドローン実演会を開催すると発表しました。紹介機材には航空LiDARのDJI Zenmuse L3、写真測量向けのZenmuse P1、可視光・赤外線などを組み合わせたマルチセンサーH30Tなどが含まれます。産業用機材を比較すると、解像度や点数の多さが目立ちますが、「一番高性能なセンサー」を選べばよいわけではありません。

まず「何を納品するか」を決める

地形の3次元点群が必要なのか、建物の写真を詳細に残したいのか、温度分布を確認したいのかで、適したセンサーは変わります。写真測量は多数の写真から位置関係を解析して形状を復元する方法で、色や模様も成果物に残しやすいのが特徴です。一方、LiDARはレーザで距離を計測するため、直接的に点群を取得する用途に向きます。

センサーが違えば飛ばし方も変わる

同じ現場でも、写真測量なら画像の重なりを確保する飛行計画が重要になり、LiDARでは高度、速度、走査条件などがデータ密度へ影響します。赤外線点検では日射や対象物の温度条件も考えなければなりません。つまり、センサーは機体に付け替える部品ではなく、飛行計画や後処理まで変える要素です。

高価な機材より「必要十分」が実務では強い

業務で必要なのは、最大性能ではなく、要求された精度や確認項目を満たすことです。必要以上のデータを取得すると、ファイル容量や処理時間、解析作業まで増える場合があります。導入前には、成果物、必要精度、現場条件、処理環境を先に決めてから機材を選ぶ方が合理的です。

機材選定では、発注者が求める成果物の形式も確認しておく必要があります。点群、オルソ画像、熱画像、通常写真など、納品物が違えば必要な撮影方法と後処理も変わります。現場へ行ってからセンサーを決めるのではなく、納品要件から逆算する方が手戻りを減らせます。

人に話せるポイントは、LiDARと写真測量は「どちらが上か」を比べる技術ではないということです。欲しい成果物から逆算してセンサーを選ぶのが、実務的な機材選定です。