国立大学法人千葉大学は2026年10月1日、大規模災害時を想定した医薬品ドローン搬送の実証実験を発表しました。千葉大学医学部附属病院でインスリン製剤が不足した想定で、東京湾上の消防艇からの離着陸と、都川公園から本町公園までの河川上空での搬送を検証します。河川区間では5つの橋の下を通過し、到着後は病院薬剤部が受け取り、病院までは陸路で運ぶ計画です。
災害物流では「直線で飛ぶ」が最適とは限らない
地図上では出発地と病院を直線で結ぶのが最短に見えます。しかし市街地では建物、人、道路、電線などがあり、災害時には通行規制や救助活動も加わります。今回の実証は河川上空を利用し、橋の下を通過するルートです。距離だけでなく、第三者との距離、障害物、飛行経路を継続して確保できるかといった条件からルートを考える必要があります。
ドローン物流は「受け渡し」で途切れる
ドローンが目的地付近まで荷物を運んでも、医薬品が患者や医療機関へ届いたことにはなりません。誰がどこで受け取り、どのように本人確認や物品確認を行い、そこから先を誰が運ぶのかまで決めて初めて搬送が成立します。医薬品によっては温度や振動などの管理条件もあるため、機体の積載量だけで評価することはできません。
飛行経路を事前に整理する場合は、無料WebツールのDroneDrawのような作図ツールを使い、出発点、通過点、障害物、着地点を地図上で可視化すると関係者間で確認しやすくなります。
災害時こそ「空と地上を一つの輸送」にする
道路が寸断されても、ドローンだけで全区間を代替する必要はありません。空路で詰まりやすい区間を越え、その先を徒歩や車両につなぐ方法もあります。重要なのは、最速の飛行ではなく、医薬品が最後まで確実に引き渡される工程を作ることです。
覚えておきたいのは、ドローン物流のルートは空中の線だけではないということです。離陸前と着陸後まで含めて一つの搬送経路になります。

