株式会社セキドは2026年9月10日、ドローン測量と赤外線点検をテーマにした実演会の開催を発表しました。赤外線カメラを搭載したドローンは、屋根、外壁、太陽光設備、電気設備などの温度分布を離れた場所から確認できるため、点検でよく使われます。ただし、熱画像で赤く表示された場所を見て「ここが故障している」と即断するのは危険です。
赤外線カメラが見ているのは「故障」ではなく赤外線放射
熱画像カメラは、物体から出る赤外線を検出し、設定された条件に基づいて温度として表示します。ここで重要になるのが放射率です。同じ実際の温度でも、表面の材質や仕上げによって赤外線の出方や周囲の熱の反射が異なります。特に反射しやすい金属面では、対象物そのものではなく空や周辺物体の影響が画像に表れることがあります。
つまり、色の違いは「温度差らしきもの」を見つける手掛かりであり、色だけで原因まで決められるわけではありません。
屋外では太陽と風が熱画像を変える
日射を受けた面と日陰の面では、設備に異常がなくても表面温度が違います。風が強ければ表面が冷やされ、温度差が小さくなることもあります。そのため、同じ設備を比較するなら、撮影時刻、天候、日射方向、風、撮影角度などの条件をそろえることが大切です。FLIRの資料でも、正確な温度測定には放射率や反射温度、距離、気温、湿度などの設定が重要とされています。
屋外の撮影時間や太陽方向を整理する場合は、無料WebツールのDroneShadeで太陽位置や影の条件を事前に確認しておくと、撮影計画を考えやすくなります。
熱画像は「異常候補を見つけるセンサー」と考える
赤外線点検の強みは、目視では分かりにくい温度分布を面で捉えられることです。一方、その温度差が故障、負荷、日射、材質、反射のどれによるものかは、設備知識や追加確認と組み合わせて判断します。
覚えておきたいのは、赤外線カメラは故障を直接見る装置ではないということです。温度の違いを見つけ、その理由を人が考えるためのセンサーと理解すると、点検での使い方が分かりやすくなります。

