中国電力、中電工業、KDDIスマートドローンは、2026年9月、玉島発電所で自律飛行型ドローンを使った燃料油タンクの巡視点検実証を開始しました。事前に設定したルートを飛行し、高所にある設備を自動撮影する取り組みです。
点検では「同じところを飛ぶ」ことに意味がある
自律飛行というと、設定したコースを自動で進む機能に目が向きます。しかし巡視点検では、毎回同じ地点から同じ対象を撮影できることが重要です。今回の実証でも、自律飛行による同一地点・同一画角での定点撮影精度が検証項目に含まれています。
同じ設備を定期的に確認する場合、撮影位置や角度が大きく変わると、前回との比較が難しくなります。腐食、変形、漏れなどの変化を追うには、画像の条件をできるだけそろえる必要があります。
飛行経路は線を引くだけではない
ルート設計では、出発点と目的地を結ぶだけでなく、どこで高度を変えるか、どこで撮影するか、機体の向きをどうするか、障害物との距離をどう確保するかなどを考えます。点検対象が立体物であれば、平面図だけでは把握しにくい場合もあります。
さらに、同じルートを繰り返す業務では、ルートそのものが作業手順の一部になります。飛行経路を見える形にして関係者と共有しておくと、現地での確認もしやすくなります。
3Dで経路を考えると見え方が変わる
飛行経路を立体的に確認したい場合は、無料WebツールのDroneDraw 3Dを使うと、Waypointや高度、視点を設定して経路を確認できます。実際の自動飛行システムへそのまま送るためのものではありませんが、飛行計画を考える段階で経路を可視化する用途に使えます。
自律飛行の実務では、「自動で飛べるか」より「同じ条件を再現できるか」が重要になる場面があります。点検ルートは単なる移動経路ではなく、点検品質をそろえるための設計図と考えると分かりやすいです。

